鼠径ヘルニアの自然療法

立ったり力んだりすると脚の付け根の内側が膨らみ、違和感や痛みを伴うものは鼠径(そけい)ヘルニアという病気です。お腹の中にある腸や脂肪組織などが脚の付け根の皮膚の下に出てきたもので、脱腸とも言われます。成人で鼠径ヘルニアになっている人は猫背の人が多く、下腹部が軟弱な方が多く見受けられます。鼠径ヘルニアは薬で治ることはなく治療は専ら手術によりますが、体位によって出たり引っ込んだりする(出っぱなしでない)成人の鼠径ヘルニアで下腹部が軟弱な方は、下腹部の腹力を強化することにより違和感や痛みが改善し、最終的に自然に治ることもあります。下腹部強化の最も簡単で確実な方法は、丹田を鍛えることです。丹田というのはおへその真下約5cm(およそ3横指の幅)のポイントで、立った状態でこの丹田を両手の指先で押し込み、その状態でお腹にぐっと力を入れて、指を押し返すことが出来なければ、下腹部の腹力が弱いと言えます。丹田を鍛えるには下記の腹式呼吸を応用したやり方が簡単です。

 <下腹部強化法> 仰向けに寝て両足を肩幅位に開き、足首の角度を90度にした状態で、フッフッフッと3回短く息を吐きながらそれに合わせて丹田に力を込め段階的に下腹部を膨らませます(*)。続いて下腹部の力をフッと抜くと吸う息が自然に肺に入ってきます。この腹式呼吸を繰り返し、2分間で1セットとします(この腹式呼吸は吸うときにお腹が膨らむ通常の腹式呼吸とは逆の呼吸法になります)。ヘルニアの程度にもよりますが、毎日朝晩1セットを丹田に意識を集中して行うと、2週間を過ぎたあたりから効果が実感されるでしょう。また普段から常にこの丹田に力がこもった状態を意識していますと、背筋が伸びて次第に姿勢も良くなります。

(*)最初は感覚を掴むために丹田を両手の指で押し込み、それを押し返す感じでやってもよいでしょう。