熱、寒気、鼻水、のどの痛み、咳、だるさなどかぜの症状が起きると、多くの方が市販の風邪薬を飲んだり、熱が高い時はロキソプロフェンなどの解熱鎮痛剤を飲んで対処されています。仕事をどうしても休めない時などは、解熱剤で取り敢えず熱を下げることもやむを得ないと思いますが、風邪薬や解熱剤はかぜの症状を一時的に和らげるだけのものであって、それでかぜが早く治るわけではありません。熱は体温を上げて免疫力を高め病気を治そうとする体の反応ですので、解熱剤で熱を下げ続けるとかえってかぜを長引かせることになります。
毎年この時期になるとインフルエンザが流行りますが、インフルエンザも「流行性感冒」と言われるようにかぜの一種であり、普通のかぜにくらべて症状が強いだけで、何も特殊な病気ではありません。インフルエンザはお薬を飲まなくても数日で自然に治る病気ですので、過度な心配は無用です。
急に悪寒がして高い熱が出、のどの痛み、頭痛、関節の痛み等を伴う時はインフルエンザが強く疑われます。症状がつらくどうしても解熱鎮痛剤を使いたいときには、アセトアミノフェンを1~2回服用する程度にしておきましょう。
冬のかぜやインフルエンザに罹った時は、食事はしばらく水分のみにし、暖かくして安静にし、スマホは手離して出来るだけ睡眠を取るようにしましょう。インフルエンザで高熱が出て汗が出ないときは、厚着をして生姜湯などからだを温める飲み物を飲み、布団にくるまって、じわっと汗が出るようにすると、発汗と共に熱が下がり自然に治っていきます。インフルエンザの漢方治療では、解熱剤のような体温を下げるお薬は使わずにからだを温める作用のあるお薬を使います。お薬も冷たい水ではなくお湯に溶かして飲む方がより効果的です。