冷えに乾姜(かんきょう)

生姜を蒸して乾燥させたものは乾姜(かんきょう)と言われ、生の生姜よりもからだを温める作用が強く、冷え症に高い効果があります。作り方ですが、

生姜を薄くスライスし、蒸し器で30~60分間蒸します。蒸す時間は長い方がよいみたいです。

蒸した生姜スライスを日当たりの良い窓際に置き乾燥させます。

生姜スライスの厚みと天気にもよりますが、3~5日でからからに乾燥します。これで乾姜の出来上がりです。完全に乾くと大幅にかさが減り、「えー、たったこんだけなん?」という感じになります。このひとかけらをスープや紅茶などに入れてエキスを飲みます。

この乾姜をさらにパウダーにすると使い勝手がよく、また元の生姜をまるごと食べることになるので、うちではコーヒーミルでパウダーにしています。微粒子のパウダーにするには、生姜を出来るだけ薄くスライスするのと、水分が完全に飛ぶまでからからに乾燥させるのがコツです。乾姜パウダーは鼻粘膜を刺激しますので、皿から保存袋に移し替える際には、くしゃみで台無しにしてしまわないよう慎重に取り扱いましょう。

市販の生姜湯(出来れば黒糖のもの)にこの乾姜パウダーと天日塩(好みによりさらにシナモン末)をそれぞれひとつまみ入れるとからだを温める効果が格段に高まります。さらに吉野葛を少量加えると最強の飲み物となります(^_^)

(*)シナモンは稀に皮膚アレルギーを起こす人がいますので、味や香りが苦手な方は避けた方がよいでしょう。

 

ツキノワグマの棲処

ツキノワグマが棲む、紀伊半島の深部。

この谷の南隣の谷の源流付近の沢でツキノワグマの成獣に遭遇したことがあります。両岸が迫る急峻な谷の沢筋をひとり行く私。右に折れる沢筋の屈曲点を越えると、視界の先に水面を覗く彼の姿がありました。単独行でしかも逃げ場のない深い谷底。その瞬間、口カラカラ。もう終わりだと思いました。

が、幸運にも彼は私を見逃してくれました。

滅多に人が入ることのない深い山奥の自然。一度目にすると忘れられない景色。だけどそこは自然破壊により棲処を奪われた野生動物達が身を潜める、残された最後の地。

彼の存在だけで私はそこから先へ進めませんでした。

「ここから先へは入らないで」

彼の姿はそう訴えているようでもありました。