傷用絆創膏の選び方

傷を湿った状態に保ち、かさぶたが出来ないようにして、早くきれいに治す傷用絆創膏が市販されるようになってから、この密閉タイプの絆創膏を貼り続けてかえって拗らせてしまう方を時折見かけます。

犬猫などの動物に咬まれた傷や外で受傷し土や砂がくい込んだ傷は化膿しやすく、この密閉タイプの絆創膏を貼ると、絆創膏の下で細菌が繁殖し、細菌感染を引き起こして傷を悪化させかねません。動物の咬み傷や汚れの酷い傷(水道水で洗っただけでは汚れが取りきれない傷など)を家庭で治療される場合は、通気性タイプの絆創膏が無難です。また傷を消毒液で消毒することは細菌感染の予防にならないだけでなく、傷の治りを妨げてかえって逆効果ですので、見た目の汚い傷であっても水道水で洗い流しながら汚れを拭き取る程度にしておきましょう。動物に咬まれた場合は、すぐに抑えて止血しようとせずに、傷口から出来るだけ血を出すようにしましょう。

傷から臭いのある液が出続けたり傷が赤く腫れて痛みが日毎に強くなる場合は、細菌に感染しています。市販の抗生物質入り軟膏で自宅治療を続ける方もおられますが、感染が傷の周囲や奥に及ぶと塗り薬だけでは間に合いませんし、最近は自宅治療された傷からMRCNSやMRSAなどの抗生物質が効きにくい薬剤耐性菌が検出される事も少なくありませんので、拗れた場合は無理をせず早めの受診をお勧めいたします。