己の感情を見極める

私達は一時の感情の昂り、とりわけ怒りや憎しみなどのネガティブな感情に心を支配されがちです。一旦心を支配されてしまうと理性で自己を制御することが困難となり、それがきっかけで人間関係を拗らせてしまったり、時には社会的な問題を引き起こしてしまうことも少なくありません。私自身もそれが元でこれまで数々の失敗を繰り返してきました。

「魔が差す」とは一時のネガティブな感情の昂りが自分の意識とは無関係に増幅されてしまうことであり、普段から抱えているネガティブな感情を手掛かりに魔につけ込まれ、一時的に思考感情が乗っ取られてしまうことです。最近頻発している凶悪事件も、犯罪者の心の中にくすぶっているネガティブな火種が掻き立てられ、暴走に至ったものではないかと思います。

人は誰でも自分の理性ではどうにも出来ない心理状態に陥る可能性があることを心に留め、自分の心の中にあるネガティブな感情をよくよく見極め、決してそれに執着しないこと、そして常にポジティブな感覚を保つように努める必要があります。ネガティブな感情に従う時間をポジティブな感情に費やすように切り替えること、これを何度も何度も自分に言い聞かせながら繰り返すことです。またネガティブな言葉を口にすると、ネガティブな感情を一層増幅させることになりますので、言葉にはくれぐれも気を付けなければなりません。

ネガティブな感情を抱きそれに浸る癖は誰にでもあるものですので、自分は大丈夫と思っている人はその慢心や過信につけ込まれ、足元をすくわれます。取り返しのつかない事態に陥ることのないよう、常に自己の感情を見極めポジティブな感覚を保ち続けましょう。