獲物が視界にある時~
ない時~
無害な医療を目指しています
獲物が視界にある時~
ない時~
桜ほぼ満開になりました。医院駐車場からご覧頂けます。
桜の開花が徐々に進んでいます。医院駐車場からはまだはっきりは見えませんが、今朝はこんな感じです。
今朝、桜が一輪開花しました。去年より9日早い咲き始めです。
私達が信じていることや常識と思っていることには、刷り込みによりそう思い込まされたものが多く、それは人の思考は簡単に操ることが出来るということでもあります。健康問題一つをとっても、「菌は不潔だから除菌すべき」「健康にはまず減塩(塩は体に悪い)」「牛乳で骨が丈夫になる」「熱、鼻水、下痢は悪い症状」など、例はいくらでもあります。
メディアや教育を通じて刷り込まれたものだけでなく、「皆がやっているから」「昔からそうだから」という慣習を通じた思い込みも数多くあります。
科学的根拠やエビデンスという言葉も、しばしば刷り込みの道具に使われています。根拠となるデータ自体が捏造されていれば、それは意図的に作られた結論(根拠)であり、意味がないものです。実際にそうしたことが行われています。
まずは常識を見直してみることからはじめて、何事も鵜呑みにせず、自らひとつひとつ真偽をよくよく確かめてみる必要があると思います。
菌は不衛生の元であり健康を脅かす悪しき存在として、巷には除菌抗菌仕様の生活用品が溢れ、売れ筋となっていますが、私達は皮膚、口腔内、気道の常在菌や腸内細菌と共存し、お互いに活かし合いながら生きています。私達は細菌に支えられて生きているというこの事実を、ひとりひとりがよく考える必要があるのではないかと思います。薬用、除菌、抗菌と書かれた石鹸、ハンドソープ、ボディーソープを使い続けると皮膚の常在菌を殺してしまい、常在菌が担っている皮膚の免疫機能を損ねてしまいます。
それだけでなく、これらの抗菌石鹸の溶液を含む生活排水は浄水場で一旦処理されますが、その抗菌作用の化学物質は除去されないまま川や海に流れ出て、そこに暮らす生き物達に影響を与えます。川や海の汚染の約7割が生活排水によるものとされています。地球は私達人間だけでなく、動植物や微生物が暮らす場所でもあるのですから、生態系全体への影響を考えて、日常生活のひとつひとつを見直す必要があるのではないでしょうか。生き物を殺し続ければいつかこの地球上からいなくなります。現に一日に約100種、一年間に4万種類もの生き物が地上から姿を消しています。そしていずれ人間も無くなります。
すべてはバランスの上に成り立っています。「悪しき物を徹底的に排除すれば良き物だけになりうまく行く」という思い込みを見直す時に来ていると思います。
自分ではないものになろうと無理をしていると苦しくなり、自分に見合った生き方が出来れば、楽に生きられるのではないでしょうか。無い物ねだりをやめて自分に与えられている良きところに目を向け、自分を活かす生き方が出来れば、自ずと縁ある人が寄り添い、共に喜び多き日々を送ることが出来るのでしょう。そんな風に生きて行けたら良いですね。
庭のポンタ、さっきまでニャーニャー甘えた声でまとわりついていたのに、ヒヨドリが木から降りてきた途端、鋭い狩猟の目つきに変りました(ヒヨドリは察知して逃げました)。獣は人ではなくあくまで獣であり、獣は獣として生き、獣にしか分からない喜びがあるのでしょう。
庭の梅の木が咲きました。
やけどの場合も、低温やけどで気付かないうちに皮膚全層や皮下組織までやけどしてしまったものは、見た目が一見汚くなくとも、密閉タイプの保湿絆創膏を貼り続けることで拗らせてしまう場合があります。
熱に焼かれて死んでしまった皮膚・皮下組織には血液が流れていませんので、酸素、栄養、白血球が行き渡らず、細菌が繁殖しやすい条件が整っており、その箇所を密閉してしまうと、細菌感染を引き起こしやすくなります。ですから低温やけどで大きさや見た目の割になかなか治らないもの、普通のやけどで水ぶくれが出来ていつまでも液が出続けて減らないもの、痛みが酷くなってくるものにも、密閉タイプの絆創膏は避けた方が良いでしょう。
傷ややけどが化膿した場合、低栄養状態で十分な栄養補給が必要な方を除いて、しっかり食べるよりも、朝食抜きにするなどして食事を出来るだけ軽く済ましておいた方が早く治ります。
傷を湿った状態に保ち、かさぶたが出来ないようにして、早くきれいに治す傷用絆創膏が市販されるようになってから、この密閉タイプの絆創膏を貼り続けてかえって拗らせてしまう方を時折見かけます。
犬猫などの動物に咬まれた傷や外で受傷し土や砂がくい込んだ傷は化膿しやすく、この密閉タイプの絆創膏を貼ると、絆創膏の下で細菌が繁殖し、細菌感染を引き起こして傷を悪化させかねません。動物の咬み傷や汚れの酷い傷(水道水で洗っただけでは汚れが取りきれない傷など)を家庭で治療される場合は、通気性タイプの絆創膏が無難です。また傷を消毒液で消毒することは細菌感染の予防にならないだけでなく、傷の治りを妨げてかえって逆効果ですので、見た目の汚い傷であっても水道水で洗い流しながら汚れを拭き取る程度にしておきましょう。動物に咬まれた場合は、すぐに抑えて止血しようとせずに、傷口から出来るだけ血を出すようにしましょう。
傷から臭いのある液が出続けたり傷が赤く腫れて痛みが日毎に強くなる場合は、細菌に感染しています。市販の抗生物質入り軟膏で自宅治療を続ける方もおられますが、感染が傷の周囲や奥に及ぶと塗り薬だけでは間に合いませんし、最近は自宅治療された傷からMRCNSやMRSAなどの抗生物質が効きにくい薬剤耐性菌が検出される事も少なくありませんので、拗れた場合は無理をせず早めの受診をお勧めいたします。