自然治癒(閲覧注意)

2021年元旦の早朝に庭に出てみると、チョロが足元に走り寄ってきました。まだ薄暗い中、背中からお尻にかけて白く汚れているように見え、埃を払おうとすると、何故か触られまいと逃げまくります。

あたりが少し明るくなり、もう一度チョロの背中をよく見ると、何と直径3~4センチくらいの範囲で毛がごっそりと抜け、下に赤い身が見えています。何者かに皮膚を噛みちぎられたような酷い傷です。正月早々、なんてことでしょう!

近づいて傷の状態をよく観察すると、長径2.5センチ程の大きさで皮膚が全層にわたって完全になくなり、下の筋膜が見え、一部筋膜にも穴が開いて筋肉が見えています。チョロの体表面積からして、人間だと大人の足の裏の面積くらいの皮膚が完全になくなっているのです。

そんな大怪我なのに痛みでうずくまるということもなく、いつものようにあちこち動き回っては、しょっちゅう傷口を舐めていました。折角のお正月なので、朝ご飯におせち料理(といってもいつものカリカリに中骨を取り除いた煮干しの出し殻がトッピングしてあるだけですが)を出すと、美味しそうに食べました。

それにしてもチョロがどうしてこんな酷い傷を???

次の日の深夜、庭から聞き馴れない動物の鳴き声が聞こえてきました。懐中電灯を手に庭に出てみると、そこにはポンタとチョロがいて、塀の外を鳴き声を上げながら走り去る動物の気配がありました。ポンタは毛を逆立て興奮した様子で、暫く警戒を解きませんでした。

逃げて行った動物は鳴き声からしてアライグマ?と思われ、庭に侵入してきたところをポンタに追い払われたのかもしれません(過去に二度そういう事がありました)。

チョロは大晦日~元旦の深夜に庭のマイハウスでひとり寝ているところを侵入してきたアライグマ?に襲われ、後ろから噛みつかれるも毛と皮膚を噛みちぎられただけでかろうじて逃げたのではないでしょうか。そして翌日またチョロを狙って庭にやって来たのでしょう。

これは1月6日(受傷6日目)の傷の様子で、見るからに痛々しい傷ですが、不思議なことに大して痛みはないようです。この頃になると傷口からリンパが溢れるように出てきて固まり、薄い透明の膜になって創面を覆っていました。そこに寝床の底に敷いてある落ち葉や干し草の欠片がよく付着していましたが(笑)、傷口自体は綺麗な色で嫌な臭いもなく、剥き出しの傷なのに感染の兆候は全くありませんでした。

アップで見るとどこかアライグマの顔の様に見えませんか?(笑)

その後周囲から白い皮膚が再生されてゆき、傷の赤い面はどんどん小さくなってゆきましたが、傷は治ってもお尻に大きなハゲが残るのではないかと心配でした。可愛い雌のチョロちゃんだけに、それはそれで可哀想だなと・・・

ところが傷口がほぼ覆われる頃になると、なんと新しく再生した皮膚から真っ黒な毛が生えてきたのです!

これが受傷25日目の様子です。ブレた写真ですが、中心の小さな赤い面の周りに黒い毛が再生されていますでしょう?

そして傷がほぼ完全に再生皮膚に覆われる頃には、再生した毛も伸びてきました。まだ周囲の毛と比べると短いので段差が目立ちます。

次が2月23日(受傷53日目)の様子です。再生した毛も伸び、周囲の毛との段差も目立たなくなってきました。チョロはこの間ずっと元気で、最近は傷口を舐めることもなく、怪我の事もすっかり忘れている様子です。

私は人の怪我の治療は専門ですが、猫の怪我はどう処置したらよいか分からず、ただ様子を見るだけでした。そして人間でも動物でも「喜びこそが免疫力や治癒力を高める一番の力である」と信じて出来るだけチョロを可愛がり、ゴロゴロ音を鳴らして喜んでいるのを確かめ、ご飯にも度々お気に入りのトッピングを加えました。猫のゴロゴロ音には骨折治癒促進効果があることが分かっているので、そうしてみました。

それにしても自然治癒力というのは本当に凄いものですね。むき出しで土や埃が付いて多少不潔になろうが、免疫力がちゃんと働いていれば全然化膿などしないし、毛まで再生されて綺麗に元通りに治ってゆくのですから!

今日も何事もなかったようにご飯を食べています。

食事中の満足そうなチョロの顔です。

獣医さんのお世話になることもなく、これだけの大怪我を自力で治してくれて、うちもコロナ禍で何かと苦しい中、本当に助かりました(笑)

人生いろいろですが、猫生もまたいろいろですね。