ストレス性疼痛

立つとお尻から太腿の外側にかけてジーンと痺れるような痛み脇腹から腰にかけての痛み後頭部から肩にかけての痛み、これらの痛みは東洋医学でいう十二経絡のうちの足少陽胆経に一致した痛みで、社会・心理的要因、物理的環境、化学物質暴露などのストレスが原因で体に痛みが生じるストレス性疼痛と考えられます。

心身がストレスを受けると身体は酸化ストレス状態となり、酸化ストレスへの対応で肝が過緊張状態に陥ると、最初に氣の滞りの影響が顕れるのが肝に直結している足少陽胆経で、太腿の外側(環跳~風市)、脇腹から腰(帯脈、京門)、後頭部から肩(風池、肩井)など経絡上の経穴(ツボ)に一致して痛みが生じ、また肝血虚の状態に陥っていることから、よく脚がつったりこむらがえりにもなります。自発的な痛みはなくとも、経穴を押さえると強い痛みが生じる(床に膝をつくと膝の外側やや下の陽陵泉がズキッと痛むなど)こともあります。

また各経絡は繋がっているので、足少陽胆経以外にも足少陰腎経の神蔵(胸部の鎖骨と乳頭の中間あたり)、手太陽小腸経の臑兪(腕の付け根)、天宗(肩甲骨)、聴宮(耳(耳珠)のすぐ前)、小海(肘の骨の出てるところ)などにも痛みが顕れます。机に肘をつくとズキッと痛むのは小海の痛みです。

これらのストレス性疼痛には酸化ストレスを処理する抗酸化物質の投与と肝の緊張を和らげる芍薬が有効で、心理的ストレスのみの状態であれば桂枝加芍薬湯+四物湯、胃の弱い人は桂枝加芍薬湯+当帰芍薬散で多くが改善します(改善には少なくとも2週間はかかります)が、コロナワクチン接種など化学物質暴露による過度の酸化ストレス状態では、酸化ストレスを処理するグルタチオンが枯渇状態となるため漢方のみでは不十分で、グルタチオン(+ビタミンC)点滴が必要です。

ワクチン接種が始まってから、年齢を問わず杖をつく人をよく見かけるようになりましたが、脚に荷重が掛かるとお尻から太腿の外側(足少陽胆経)が痛むために杖を利用しているのかもしれません。

これらの痛みの箇所は線維筋痛症に特徴的な圧痛点と悉く一致していることと、グルタチオン点滴が線維筋痛症の疼痛に有効であることから、線維筋痛症も酸化ストレスの関与が推測されます。当院では自費診療ですが線維筋痛症にグルタチオン点滴を行っております。

ポンちゃんのお尻

別角度から

残暑の厳しさは半端ないですが、ニャルソックで不審な縄張り侵入者も姿を消し、最近はストレスも減っているように見受けられます。